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認知症

脳の機能が病気や障害で低下

脳の機能が病気や障害で低下正常に働いていた脳の機能が、脳の病気や障害のために低下してしまい、記憶や思考への影響が見られる疾患を認知症と言います。
認知症になると、物事を記憶することや判断する能力、時間や場所・人などを認識する能力が下がるため、日常生活に支障が生じるようになるのです。
認知症は「物忘れ」と似たような症状がありますし、例え認知症であったとしても早期に発見することができれば、治療によって進行を遅らせることもできます。物忘れを感じたら、当クリニックへ速やかにご相談ください。

こんな症状の場合はご相談ください(例)

  • 物の名前が思い出せなくなった
  • しまい忘れや置き忘れが多くなった
  • 何をする意欲も無くなってきた
  • 物事を判断したり理解したりする力が衰えてきた
  • 財布やクレジットカードなど、大切な物をよく失くすようになった
  • 時間や場所の感覚が不確かになってきた
  • 何度も同じことを言ったり、聞いたりする
  • 慣れている場所なのに、道に迷った
  • 薬の管理ができなくなった
  • 以前好きだったことや、趣味に対する興味が薄れた
  • 鍋を焦がしたり、水道を閉め忘れたりが目立つようになった
  • 料理のレパートリーが極端に減り、同じ料理ばかり作るようになった
  • 人柄が変わったように感じられる
  • 財布を盗まれたと言って騒ぐことがある
  • 映画やドラマの内容を理解できなくなった

85歳以上の4人に1人が認知症患者

認知症は年をとるほど発症しやすくなり、65歳以上70歳未満の有病率は1.5%ですが、85歳以上では27%となります。
実に4人に1人以上の方が認知症患者であるというデータもあります。
また、若くても脳血管障害や若年性アルツハイマー病を疾患することで認知症を発症することがあります。
なお、65歳未満で認知症を発症した場合は、若年性認知症と言います。

7割近くの認知症患者がアルツハイマー型

認知症は単一の疾患ではなく、いくつもの種類が知られています。
主なものには以下の4つがありますが、認知症のうち60~70%はアルツハイマー型認知症で、約20%は脳血管型認知症と言われており、認知症の約9割がこの2大疾患で占められています。

アルツハイマー型認知症

アルツハイマー型認知症は、アミロイドβ(ベータ)などの特殊なたんぱく質が脳に蓄積し、神経細胞が壊れて減ってしまうために、脳の神経が情報をうまく伝えられなくなり、機能異常を起こすと考えられています。
また、神経細胞が死んでしまうことによって臓器でもある脳そのものも萎縮していき、脳の指令を受けている身体機能も徐々に失われていきます。
アルツハイマー型は認知症のなかでも一番多いタイプで、男性よりも女性に多く見受けられます。

脳血管型認知症

脳梗塞や脳出血、くも膜下出血など、脳血管性の疾患によって、脳の血管が詰まったり出血したりして脳細胞に酸素が十分にいき届かなくなり、神経細胞が死んでしまうことによって発症するタイプの認知症です。

レビー小体型認知症

レビー小体型認知症では、レビー小体(神経細胞にできる特殊なたんぱく質)が脳の大脳皮質(物事を考える場所)や、脳幹(生命活動を司る場所)にたくさん集まってしまいます。
レビー小体が多く集まっている場所では、情報をうまく伝えられなくなるため、認知症が起こります。

前頭側頭型認知症

頭の前部にある前頭葉と、横部にある側頭葉が萎縮することによって起こるタイプの認知症です。若い人にも、発症が見受けられます。

認知症の治療法

認知症が完治する方法は、今のところ確立されていませんが、他の病気と同じように早期発見・早期治療に努めるのが大切です。
認知症の治療法には、薬物療法と非薬物療法があります。

薬物療法

アルツハイマー型認知症の薬物療法には、認知機能を増強して、記憶障害や見当識障害(自分の置かれている状況がわからなくなる)など、脳の神経細胞が壊れることによって起こってくる症状(中核症状)を少しでも改善し、病気の進行を遅らせる治療と、周辺症状(不安、焦り、怒り、興奮、妄想など)を抑える治療があります。

脳血管型認知症では、脳血管障害の再発によって悪化していくことが多いため、「再発予防」が重要となります。
脳血管障害の危険因子である高血圧、糖尿病、心疾患などをきちんとコントロールするとともに、多くのケースで脳梗塞の再発を予防する薬が用いられます。

また、意欲・自発性の低下、興奮といった症状に対して脳循環・代謝改善薬が有効な場合もあります。抑うつ症状に対しては、抗うつ薬が使われたりもします。

早い時期に薬物投与を始めると、より改善効果の高いことが知られていますので、認知症についても、やはり早期発見と早期治療が大切になります。

非薬物療法

薬物を使わずに脳を活性化し、残っている認知機能や生活能力を高める治療法です。

認知症と診断されても、本人にできることはたくさん残っています。
まずは家庭内で本人の役割や出番をつくって(洗濯物をたたむ、食器を片づけるなど)、前向きに日常生活を送ってもらうことが大切です。

また、昔の出来事を思い出してもらう(回想法)、無理のかからない範囲で書き物の音読や書き取り・計算ドリルをする(認知リハビリテーション)、音楽を鑑賞したり、演奏したりする(音楽療法)、花や野菜を育てる(園芸療法)、自分は誰で、ここはどこかなど、自分と自分のいる環境を正しく理解する練習を重ねる(リアリティ・オリエンテーション)などの方法が効果的です。
ほかにも、ウォーキングなどの有酸素運動を行う(運動療法)、動物と触れ合う(ペット療法)などの治療が知られています。

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